とよだの腹
立川談志
世に「上手い落語家」「名人と呼ばれる落語家」は多々おられる  おられるが・・・
オイラが天才と認める落語家はたったのふたり

  林家三平(初代)  と   立川談志   だけである

(落語に造詣の深い方々からは叱られようが あくまでオイラの基準である 容赦いただきたい)


三平は実に面白くなかった そして この上なく面白かった
(もう三平のリアルタイムを知らない世代の方も多かろう)
日本の宝 伝統芸能 である落語で 禁断の「客いじり」や「スベリ芸」を確立させたのは彼だった
古典落語を十二分にこなせる実力がありながら 彼はエンターテイメントに徹した
あれだけ面白くないギャグや駄洒落を連発しながら それが林家三平であるだけで 爆笑させられた

  そこには「落語」や「漫談」という既存のものではない「三平」というジャンルが明らかに存在した

昭和の爆笑王 戦後復興を果たしていく日本人を笑わせ・楽しませ・元気付けたその存在は
落語の範疇にとどまらない革命児であったんだと思わせられる

息子のこぶ平が正蔵を襲名したとき お世辞にも名落語家と言えない彼の襲名披露に
浅草に15万人もの人が集まってくれたそうだ
たかだか ひとりの落語家の襲名披露に15万人・・・!
それは誰かに動員されたわけでも頼まれたわけでも そしてみんなが行くから行ってみようでも
なかったように思う
こぶ平の人柄もあったろう しかし その全てを包み込む大きな大きな空気として感じたのは

  落語家 林家三平への本物のオマージュであり
  三平の「凄まじさ」が 没後25年経っても全く損なわれていないという
  鳥肌が立つような事実であった



談志はクソ生意気な男であった
彼こそ天才中の天才であったかもしれない
見えすぎて分かりすぎて 周囲がバカに見えてしかたなかったんじゃなかろうか
到達している地点が明らかに一人だけ違っていたように思える

今でも「談志が話す」時には 胸が高まる ドキドキしてしまう
どんな政治家や宗教家より彼の言葉には力を感じた


  談志には三平は認められん落語家であろう
  実力があるのにおちゃらけて笑いばかり取りに行く
  バカにする というか同じ視界にも入っていない落語家であったろう

     ・・・と、その頃は思っていた





  実存した落語の高座で ひとつだけ選べといわれたら これだ というのがある



1980年9月20日 三平没(享年54歳)
その数日後 談志が高座にあがった TVでも放映された
先輩である三平にひとしきり哀悼の言葉を述べたあと「今日は三平をやる」といったまま舞台から降りた
えっ・・・??? と思った次の瞬間  談志は三平のお囃子で三平として高座に戻ってきた

あの誇り高き天才が 「右から坊主 左から坊主 和尚がふたりで おしょうがつぅ(お正月)」とやった
「そこのお客さん こっちの席が空いてますよ」とやった 駄洒落を言って額にゲンコツを持っていって
「こうやったら笑ってください」とやった「どーもすいません」とやった
目が真っ赤だった 鬼気迫る物真似だった 
いやもう物真似ではなかった 三平以上に三平そのものだった

二人の天才が談志の身体を借りて競演した 互いが憑依し合った 凄い芸だった 
 こんな落語があるのか・・・
誇り高き稀代の大天才が なりふり構わず目を真っ赤にして演じたその凄まじき芸に
思わず絶句してしまったのを覚えている

談志は三平をバカになどしていなかった 
いやむしろ 天才しか分からぬ感覚で もう一人の天才をリスペクトしていたと知った

そして談志は その日でもう一人の天才を失って ついに孤高の存在になってしまった
ライバルの志ん朝や円楽ではない 彼が敵わないと思ったのは三平だけではなかったのか
もう彼の頭上には視界には誰もいなくなってしまった



おそらく 今日以降 ニュースやワイドショーで談志が取り上げられるであろう
我々は 落語界が生んだ史上最高の天才を失ってしまった事実を思い知らされることになる



しかし談志さん リアルタイムで貴方の言葉に触れられたってことはね とっても幸福でした
心より御礼申し上げます でも哀悼は申しません
素晴しい高座を全うされた落語家さんへ 観客として心よりの大きな拍手をさせていただきます

素晴しい芸 本当に ありがとうございました


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コメント
お言葉に甘えて遊びに来ました!
ご無沙汰しております!

談志師匠・・・私は若いころはあまり好きになれなかったのですが、
今思えば、なんだか哀愁のある良い落語家さんだったなと思います。

お礼が遅くなりましたが、
イラストを使っていただいてありがとうございます!嬉しいです!
[2011/12/02 15:36] URL | コウバラ #Ol1eGJ4Y [ 編集 ]


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