とよだの腹
今年のNO.1 第5部ー② 「世話になった方々」(その2)
いや おにぃちゃんの話だけで力尽きてしまった
おネェちゃんの話も この第5部で書かねばならない

石和温泉の健康ランドにマッサージをしてもらいに通っていることは度々書いている

毎月1回3時間 とっても優しい気持ちにさせてくれる ピカチュウ似の中国産のおネェちゃん
彼女と最初に出会ったのは もう2年以上も前のことだっただろうか
ピカチュウ体型で(つまり丸型で)クリクリした目でニコニコニコッと笑って たどたどしい日本語の
その子は 最初は10代かな と思っていた

一生懸命なのである

中国の東北部(旧満州地域と言った方が分かりやすいか)出の頬がほんのりと紅い おネェちゃん
(以降名前を取って「R」と呼ぶ)
まさしく 3丁目の夕日 のように 夢を追って寒村から働きに出てきた子Rちゃんは 小さい手ながら
とにかく痛いくらいに一生懸命揉んでくれる

  お客さんに喜んでもらいたい
  みんなに認めてもらいたい
  「居場所」 そう 存在を容認してもらいたい

故郷から一人で日本に来たRちゃんの強すぎる指圧から感じられたこと
それは 夢を求めて日本に来たRちゃんの「覚悟」であった


ただ あまりにも日本語が下手であった

お客さんから「あの子は強すぎる」とクレームがスタッフに入ったそうである
直接本人に言えばいいんだが どうもコミュニケーションできんと思われたんだろうなぁ
当方 強いマッサージは大歓迎である 強い方が効く と思い込んでいる
無論 2回目以降 彼女を「指名」することになる
そして彼女とたくさん会話してやろう と思う
語学なんて慣れなのである
彼女がお客さんと恐れずに会話できるようになれば 彼女の思いは伝わるであろう

「イタカッタラ イッテクダサイネ」
「大丈夫 痛い方が好きだからね」
「デモ イタカッタラ イッテクダサイネ」
「我慢する」
「ガマン デキナカッタラ?」 
「我慢できなくなったら・・・ 泣く」
彼女はケラケラっと笑ってくれた
「トヨダサンハ オモシロイネ」


  彼女の「居場所」を作ってやらねばならない


彼女の語学力には どの単語・どの言い回し が通用するのだろう
顧客・上司・友人・家族・ガキ・ジジババ・・・ およそ日本人に対しては かなりの精度で
意思疎通できる自信はあった
だが 文化・生活・国籍・生きてきた歴史が全く違うこの子に 
受験の際より脳みそをグルグルと酷使したのは事実である
(ただ 10分もするとマッサージの気持ち良さにすぐ熟睡してしまっておったが)

何回かすると 彼女はオイラの顔を見かけるだけで飛び上がって喜んでくれるようになった
なんとか通じていたんだな

日本に行けるが決まってから1ヶ月 彼女は日本語学校に通って一生懸命勉強したらしい
「ワタシハ アタマガ ワルイカラ・・・」
いやいや こんな難しい言語 1ヶ月で話せるわけなかろうが

「ネェ ドウシテ トヨダサンハ ワタシノコト シメイシテクレルノ?」
難しい質問だなぁ 彼女に伝わるようなニュアンスの言葉って何だろう
これかな      答えた

  「仲良しだから」

彼女はしばし黙った  ん  表現間違ったかな

しばらくして彼女は小さな声で言った
「コレカラモ・・・ナカヨクシテネ」

おぅ 了解した




足のツボだけで疲れている場所が分かるそうである
ある日 所定の時間が終わったあとRちゃんはリクライニングを起こしながら
「スコシ マエニ イッテ」と言う
背中に回りこんだ彼女は それから20分くらい ずっと肩を揉み続けてくれた
(無論 ルール違反の無償行為である)

子供を持てなかったオイラは 不覚にも
そう 不覚にも
実の娘が居たら こんな感じなのかなぁ と 幸福な錯覚に陥ってしまった


   この子の「居場所」を作ってやらねばならない


60分からスタートしたマッサージ時間は 80分・100分・120分と延び 
現在は月1回190分がお決まりのパターンになっている



今年は度々事件があった

Rちゃんは頑張りすぎて腱鞘炎にかかってしまった
数週間後 復帰した日に 
彼女の小さな手のひらを両手で包んで「無理しなくていいからね」と告げた
彼女は少しびっくりした顔になって
「ゴメンナサイ ワタシノテハ キレイジャナイカラ」と言う

彼女の手には大きな“タコ”がある
ずっと 一生懸命仕事してきた証であるマッサージダコである
同年代の子たちのスラッとした綺麗な指に対してコンプレックスがあるという

 プライドを持てよ
 プロの 仕事ができる証明の とっても綺麗な指じゃないか
 とっても素敵だと思うよ

風の谷のナウシカで村民が言った「でも姫様はこんなわしらの手を好きだと言ってくださる
働き者の手だといってくださる」のセリフをパクッた感はあるが
本当にそう思ったのでしょうがない 許してもらおう


ある日 枕を敷くか と問われたので おぅそれは有難い と応えた
彼女はフカフカの枕を準備してくれた なかなか気持ちが良い どうした?と聞くと
エッヘンと言う顔になり「ニトリ デ カッタ 」と言う
彼女において最強の日本ブランドは「ニトリ」であり「ユニクロ」である
中国へ帰るときはご両親や姉さま方に「ユニクロ」の服をお土産に買って帰るそうである
ご家族はユニクロを見て娘が妹が日本で頑張っていることを知り涙を流されるそうである

今年の夏も里帰りした
そのさなか あの反日暴動が勃発する

帰ってこれんかも知らんな

ちょいと不安になる
中国政府は ご家族は 渡航を許さんのではないか

果たしてひと月後 彼女は帰ってきた
「いやぁ 帰って来ないかと思ったよ」

「ワカッテ ホシイ コトガアル」
ん?
「ニホンノ テレビノ ホウドウハ オカシイ」
ん ん?
「アレハ ホントウニ イチブノ ヒトタチダケノコト
 ワタシノフルサトデハ ナンニモナカッタ
 ミンナ ニホンノヒトガスキ ニホンノオミセガスキ
 ゼンブノ チュウゴクジンガ ニホンヲ キライダトハ オモワナイデ」

日本に帰ってきたら みんなの目線が違ったそうである
彼女が中国人と分かって 公然とチェンジを申し出た客もいたらしい
とっても悲しい思いをしたらしい
でもしょうがない 中国人は日本に対してひどいことしたから と我慢したらしい


外交が難しいのはよく分かる
でもなぁ 我々は永遠にお隣さんなのである 仲良くするのが一番良い
最初の一番小さな一歩かも知らんがなぁ
この子が「日本に来てよかった」と思ってもらえるようにしてあげたい
そんな輪が広がることが 実は一番こじれきった日中関係を改善していく直線コースではなかろうか

「俺たちは仲良くしような
 それぞれの中国人と それぞれの日本人が 仲良くすれは
 最後は国と国は仲良くなるよ」

彼女はあの笑顔を見せて答えてくれた
「ウン ソウダネ」





今年世話になった人 女性代表はこの子である
子供が持てなかったオイラに「実の娘が居たらこんな子だったろうなぁ」と疑似父親感覚を
持たせてもらった感謝は尽きない


「ネェ ナゼ トヨダサンハ ワタシノコトヲ ソンナニ ワカッテクレヨウト スルノ?」

ウトウトとしていると 突然そんな質問が飛んできた
仲良しだから と答えときゃ良かったんだろうがなぁ 頭が働いてなかったからなぁ
ウダウダと 
昔 お偉いさんをしていたこと  
その時に彼女くらいの年代の子を部下にたくさん持っていたこと
リーダーにとって 一番大事な仕事は部下の方々のことを理解して差し上げること
何故なら その方々が伸び伸びと楽しく仕事ができる環境が作れたら
その方々も組織も幸福になれることを体感してきたこと
などを述べた

彼女の期待する応えではなかったのだろうなぁ

「トヨダサンハ アタマガ イイネ」
そう言われた

困った

称賛なのか 皮肉なのか 怒りなのか よう分からん
もしくは 客の言ってることが分からん時 一番受け入れてもらった返事が
「頭がいいですね」
だったのかも知らん
オイラ 女性には弱いのである 女性の感覚が分からんから多くの恋に破れてきた男なのである

「そうさ 俺は 頭が良い」

おそらくは間違った返事なんだろうが しょうがない
正解が分からんのである

でも そこで彼女は初めてケラケラっと笑ってくれた

「トヨダサン オカシイヨ
 ジブンノコトヲ ジブンデ アタマガイイッテ イッチャ イケナインダヨ」


ハイ そうですね 失礼しました
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