とよだの腹
風立ちぬ
宮崎駿の作品は夏休みが終わってから と決めていた
ガキどもで溢れかえる劇場ではなく 落ち着いた環境で楽しみたかったからだ
今までもそうしてきた

今日の2時から 会見があった
さすがであった
短いセンテンスのひとつひとつが 重く光っている

今日 観なくてはならない
「風立ちぬ」は 今日観なければならない
16:30からの回を観た

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   この作品は 宮崎駿の「最高傑作」では ない!


淡々と そう 淡々と 
見事なまでの美しさに覆われた映像が 時間が 過ぎていく 
それだけの映画である


宮崎駿の最高傑作は何だろう
これこそ ひとそれぞれに 違う作品を挙げられるのであろう

オイラは決まっている

 「風の谷のナウシカ」 で、ある

この映画を観た時の驚きを今でも覚えている
現在の人類で これほどの世界観を創り出せる頭脳をもった人間がいることが信じられなかった
そして 現在の人類は これほどの美しい映像を創り出せる技術をついに手にしたのかと感動した

宮崎駿と言う 稀代の天才は その頭脳と指先をもった化け物であった

その後の作品もすべて 違う「世界」を圧倒的なクォリティーで提供し続けてくれたことは
ここで述べるまでもなかろう

しかし


      衰えたり    宮崎 駿       ・・・・・ いや






・・・  そうだったのか 

風立ちぬ を 観ていてなぁ ひとつ 分かったことがあった


  宮崎作品を創ってきたのはなぁ 宮崎駿という天才の力だけではなく
  彼に憑依した 彼に降りてきた 何某かの 「神」 との 共同作業であったのではなかろうか


彼はラストを決めずに創作を開始するという
神が降りてくるのだ
降りてきた神が 宮崎を包み 作品を仕上げてくれるのだ

老いたのは彼ではなく 
長年 彼とともに世界の最高峰の作品を創り続けてきてくれた「神」の方 だったのだ

そして 風立ちぬ では ついに「神」が降りてこなかった


  彼が引退を決意したのは 彼自身の年齢によるものではなく 
  彼とともに戦ってくれた「神」への
  「お疲れ様でした」のメッセージだったんだろうな

降りる力を失ってしまった神を 優しく見送った宮崎は この作品を 必死に 
彼の「引出し」だけで創り上げていく


「自分の映画で初めて泣いた」 試写会後の彼の言葉である


実はオイラも 初めてジブリで泣いた それも3回も

 ① ヒロイン菜穂子の深夜の嫁入りのシーン

   媒酌人の黒川夫妻と4人だけの結婚式
   黒川夫人に導かれ夜の廊下を向かって来る菜穂子の美しさは鬼気迫るものがあった

 ② ラストの夢の中で尊敬するカプローニが言った「これが君のゼロかい」のシーン

 
   あぁ 宮崎駿は このシーンを描きたいが為に 50年間もアニメに携わってきたのか
   ゼロ戦が登場するのは このシーンだけである
   殺戮の道具 戦争の美化 そんな批判をする奴らがいる
   バカ言うでない  そんなんではない  素直に 実に「美しい」
   彼は美しいものを(全作品を通して)美しいだろ と伝えてきたのだ

 ③ そして ここで泣く人はいないんだろうがなぁ

   空が きれいだった

   今までも 空と風が 見事なまでに美しい映画ばかりだったが
   その どの作品より この作品の「空」は綺麗だった
   
   生まれてきて死ぬまでに これ以上の綺麗な空は 実生活でも映像でも もう見れないかもしれない

   それほどに   とっても とっても 綺麗な「空」 でした



何故泣いているのか 自分でもよく分からなかった
ただ よく分かったことがあった


   この作品は 宮崎駿の「最高傑作」ではない

   ただしかし 宮崎駿の底力とはなんと奥深きものか



老いていく天才が 衰えていく才能を感じながら

もう 商業作品としてのクォリティは落ちていくのかもしれない

でも そんな 創作物じゃなくってね

あなた自身が もう ひとつの伝説であり 物語なんですよ

老いてもいい
衰えてもいい
私たちの心を震わせるのはね

あなたが 紡いでくれる物語であり 
あなたが 描き出してくれる絵なんですよ


「飛べない豚は ただの豚」かもしれないけど 
私たちはね 
そんな ただの豚が語ってくれるお話に 心躍らせるんだろうと思いますよ

どうぞ長編アニメはやめても 私たちに発信を続けてください




    この作品は 宮崎駿の最高傑作ではない

   何故なら 宮崎駿の最高傑作は 

       「宮崎駿」 という存在

   だったのだから

   
   
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