とよだの腹
お盆と言えば・・・3 「甲子園」
お盆の頃の風物詩と言えば「甲子園」
多くの日本人が 安心して盛り上がれる 鉄板ネタのひとつであろう

54年間生きてきたんでな「歴代最強チームはどこか?」 あたりで書こうかとも思ったが
せっかくの短期集中連載なんでね オイラの高校の頃の思い出を書いてみたい


  進学校だったんでね あんまり強いチームではなかった
  それでもね 何やらかんやら仲の良い高校でね ホッケー部と野球部の違いはあったけど
  運動部同士「仲間」って意識は強かった

  同じクラスには 60打席ノーヒット っていう2番・セカンド がいた
  彼曰く 「打てんけどなぁ 一応『2番』だからさ 打てそうな顔してると
  相手が勝手に四球を出したりしてくれるもんよ」と、笑っておったし
  (彼の名誉のために付記すると 守備は絶品であった)
  大会前の地元紙に 体育教員だった監督はインタビューに答え
  「まぁ我が校の見所は外野ですな なんせ 足が遅い・肩が弱い・眼が悪いの3拍子揃っている」
  と、ガハハと笑ってインタビュアーの度肝を抜いておった

  それが1回戦・2回戦と まぐれで勝っていく
  地元紙にはエースに対し「頭脳的ピッチング」と誉めてくれていたが 何のことはない
  スピードが出なかっただけのことである 
  が、我々は
  「あいつ(エース)の頭脳など授業中に見たことがない」と
  野球部に最大の賛辞を送り続けてやっていた

  クラブ活動だしな  試合は平日の昼間だしな なかなか応援にも行けんかったが
  3回戦のとき ある出来事があった
  仲良しのヤンチャ坊主が授業にいない (まぁ真面目か不良かっていうと不良生徒だったんだが)
  何時限目か 顔を高揚させたそいつが授業中に戻ってきた
  たまたま一番恐い教師の授業中だった
  教師も立派だった きちんと激怒してみせた 無断で俺の授業をさぼるな と、吼えた
  
  そいつが叱られている最中 我々は分かった 「こいつはあいつらを応援に行っていたんだ」
  教師の怒号など関係なく我々はそいつに叫んだ
  「それで 勝ったのか?負けたのか?」
  そいつは顔を教師に向けたまま 左手の拳をギュっと握り そして 人差し指と中指を立て 
  その左手を高く掲げた        ・・・教室に歓声が起こったのは言うまでもない

  そいつは不良でもなんでもなく マラトンの戦い(マラソンの起源)での勝利を伝えに走った
  兵士のごとく 我々にとって「英雄」となった

  教師はきちんと叱り終えた後 「で、次の試合はいつなんだ」と聞いた
  「明後日です」そいつが答える
  教師は 壁に貼られた時間割を見て ドスの効いた声で一言だけ言った
  「連帯責任だ 明後日おまえらに授業をしない 自習とする
   おまえらの高校生活で一番重要だと信ずるものに 自習時間をあてろ それでは授業に戻る」



  我々の母校はBEST8まで来ていた この試合で勝てれば準決勝からTV放送がある
  それまでは「ブラスバンド」と「応援団」だけだったスタンドが仲間たちで埋まっていた

  しかし まぐれでなく実力で勝ち進んできたチームが相手である
  ボコボコ点を取られた (8点だったか9点だったか)
  それでも たいしたものである 母校も7点か8点か取り戻して あと1点まで迫った

  9回裏2死満塁 2ストライク3ボール
  まさしくドラマのような展開である あと1点で追いつける
  相手ピッチャーが投げる 外れた! 押し出しだ! 同点だ!
  ・・・が、我々が歓声を上げる間もなく 主審の右手が大きく宙を舞った
  「スットライクッ バッターアウト ゲームセット!」

  走りかけたバッターがスローモーションのようにひざから崩れ落ちるのが見えた





  高校のときの仲間たちのね 熱い良い思い出なんだが
  今日の締めは 「ちょっとぉ!」と言われそうな終わり方をする
  数日後だか数年後だか分からんが 地元紙に当時の主審の記事が載ったそうである
  一番思い出に残っている試合として 準々決勝で我々が負けた試合をあげ

    「最後のボールはね 『ボール』と判断してもいい球でした
     いや あの高校のヤジがあまりにも激しくて汚くってですね
     高校野球の域を越えたものであったんで  頭にきてたんでしょうね
     つい『ストライク』って言ってしまったことを覚えています
     選手には可哀想でしたが あの応援団を熊本代表にしてはならんと思ってますよ」



  何のことはない 我々は一緒に戦って そして我々応援部隊のガキっぽい不謹慎なヤジのせいで
  野球部の甲子園は消えてしまったのである
  同窓会で その話で盛り上がると 野球部の連中は大笑いしながら応えてくれた

    「でもなぁ 誰に何と言われてもいいんだがなぁ 俺たちはなぁ お前らの声援がよぉ
     とっても とっても 嬉しかったんだぜ」
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コメント
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[2011/08/15 17:23] | # [ 編集 ]

Re: タイトルなし

>> carnet どの

コメントありがとうございます
貴女のブログも公開してよければ 当ブログでPRするぞ
覚悟が決まればご連絡を
[2011/08/16 18:11] URL | とよだ #- [ 編集 ]


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